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「俺は考えた!」
と意気揚々に話す和也はこんな出会って一年もたたない俺をほっておけないと言う。
同じ名字で、名前まで似ているのに俺と和也では住む世界が違うと思っていた。
和也は誰と話していても楽しそうで、周りもそんな和也を慕っている。
いつも周りには誰かがいて、女の子からもよく話しかけられていてどんな人にも同じ態度で接している。
言ってしまえば、彼はムードメーカーなのだ。
いつも隣にいて本当は俺なんかと同居するのはどうなのだろうと疑問に思うことは何度もあった。
こんな変な癖があるのにそれを認めてくれて付き合ってくれる。
まさか直人以外にこんな友達が出来るとは思いもしなかった。
「何を考えたんだ?俺は大丈夫だからさ…」
「いーや、だめだ」
「あのさ…前から聞こうと思ったてたんだけど、何で俺をそんなに過保護に扱うんだ?」
そうなのだ。
和也ときたらやれと何処にいくのかだのバイトは何時に終わるのかだの、最近ではどこへいくにも迎えに行くから待てとか言い出すしまつ。
俺は男なんだから、男に迎えに来てもらわなくても平気だし恥ずかしいからやめてくれと何度も頼んでも聞く耳もたず。
直人もそうだが、俺が1人なるのに異常にうるさい。
確かに良く絡まれるが俺は自慢じゃないが足だけは早いため相手がヤバい感じと悟れば逃げる自信はあった。
「だから、さっきも言ったがお前ってほっておけないってゆうか…俺も良く分からないが…なんてゆーか側にいてやりたくなるんだよ…男にこんな気持ちになるのは初めてで俺も良くわかんね。だから俺はお前の今後も大いに気になって仕方がない」
「お前…海外いくじゃねぇか」
「だから、俺はさっきから考えがあると言ってだ」
「どんな考えだよ。一応参考までに聞かせてもらうよ」
「おぉ、聞いてくれ。てか、決定事項だから良く聞け」
なんか…和也って時々俺様になるのは気のせいだろうか…俺に決定権は無いわけ?
「まぁ…とにかくなんだよ」
「それはな、お前に…」
「お前に?」
「お前に…」
「お前に…?…ってなんだよ!歯切れ
ワルいなっ!!」
「わかったよ!はっきり言う!ほんとは俺が側にいて守りたかったが無理だからな、これしかいい手が思い付かなかったから仕方ない」
「早く言えよっ!!」
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