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第2話
◆
二時間ほど森を歩いて回り道をしながら街に出る。最初ダニエルに担がれたこともあってアニーの制服には泥や土がつき、ブーツも同じような有様だった。もっとひどいのはダニエルのほうで、恐らく何日も風呂に入っていないのであろう。髪はベタつき、短い髭も生えていた。それよりもあちこち破けた衣服のほうが気になる。
「なんで…全然臭くないんだろ?」
確かに泥や土の臭いはするのだが、体臭と呼べるはずのものはむしろ良い香りがした。周りをいく人々が鼻を摘んで避けていくところを見ると、悪臭を感じていないのはどうやら自分だけのようでますます不思議だ。
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