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ダニエルは最初アニーに歩幅を合わせていたが、それでは時間が惜しくなったようで袖を掴んで引っ張り回す。
あえて手を握らないところは逡巡なのか嫌悪なのか判別できなかった。
けれどやはり悪い人間ではないようである。
ダニエルが足を止めたのは服屋の前で、制服を脱げと言っていたのを思い出した。
「これから汽車に乗る。そのために衣服を整えるぞ」
「アナタが誘拐してくれたおかげで生憎(あいにく)財布を置いてきちゃったんだけど」
「全額払うから安心してくれ。それも依頼金
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