あの女の子は。

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氷界に住み着いてから2ヶ月。 もうこんな月日が経っていたのか。 当時、あの現場を見てしまったルナ母は天然過ぎるのか、俺を見逃してしまった。 『えー、なんか悪い子じゃなさそうだし…少しだけならここにいていいんじゃない?』だそうだ。 これはもはや天然といっていいだろう。 「嶐憂くん?どうしたの、ぼーっとして。お昼ご飯冷めちゃうよ」 今日もとびっきりの笑顔で話しかけてくる女の子。 「お、おう、ごめんごめん」 今日もその笑顔に一歩引ける俺だった。 「今日のお昼ご飯は、私が作ったんだよ!すごいでしょ!」 ルナは胸を鳴らし、えっへんと威張る。 「おう…いただきます」 目の前には黄色のオムライスがある。 見た目は美味しそうだ。だが、肝心の味はどうか…。 スプーンに一口分乗せ、食べてみる。 「…うま」 「ほ、本当!?よかったぁ!」
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