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昔からあたしは世話好きで、小学校では六年連続で保健委員をやってた気がする。
「小学生かぁ……」
一緒に遊んでいた友達は元気なんだろうか。少し気になった。だけどたぶん、もう二度と会えないんだろうね。
何故ならあたしは死んでいるから。人間のふりをした人間以外だから。そんなあたしが、みんなのところには戻れないことなんて、分かりきっている。でも、別に寂しいなんてことはない。今のあたしには『家族』もいるし。
「そろそろ、戻ろっかな」
暗い中、夜風を浴びていたから少し気が沈んだのかもしれない。
窓を開け、中に入る。折葉さんは相変わらずぐっすり寝ていて、幸せそうな笑みを浮かべている。
『夢でも見てるのかな』
だろうね。お兄ちゃん、お風呂入っていい?
『いいよ。身体冷えただろうし、ゆっくり入っておいで』
てかお兄ちゃん寝てないんだ。
『寝れないから外に出たことを忘れてた』
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