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『もう覚えてないしなぁ』 「そうなんだ」 まあ高校生にもなると小学生の頃のことは忘れちゃうのかな。お兄ちゃん高校生じゃないけど。 ちなみに、我が家の教育者はマリーさんだったりする。あの人、能力を悪用して飛び級しまくってるから、十八歳で大学卒業なんてやってのけた。 お兄ちゃんは小学校までしか教育を受けてない。漢字には強いけど。 あたしは中学一年生までは学校に行っていて、今はマリーさんの指導のもと折葉さんやソラネリアさんと共に勉強中だ。 二人とも頭がいい。こんなところでもあたしは劣るのか…… 勉強なんて嫌いだ。そう言って中学生入ってすぐに逃げたからこうなったのかもしれない。と最近はよく後悔している。 「そろそろ出ようかな」 湯船から立ち上がり、綺麗に体を拭いて服を着る。 明日の用意をしてから、お兄ちゃんと代わろう。 そう思いつつ脱衣所を後にした。
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