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暗い闇の中を走っていた。もうどれくらい走ったかなんて覚えていないけれど。
「待てやごるぁ!!」
「……くそっ」
後ろから僕を追う声がする。振り返らないで僕は走りつづけた。ときどき何かが飛んでくるのだけど感覚で避ける。
「はぁ……はぁ……」
もうすぐ街の中だ。ここまで来れば大丈夫かもしれない。逃れられるかもしれない。という望みを持って、転けそうになる足を前に進める。
「もう少し……!!」
そんなとき、視界の端に女の子を見つけた。その子はその子で男に囲まれている。何が起こるかは予想できてしまった。そしたら自然と足が向いていた。
だが現実は無情だ。僕の腹部に何かが刺さり、意識は闇に落ちた。
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