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お兄ちゃんは夜は危ないとか言ってあたしが夜に用事があるときはなかなかあたしを表に出してくれないので、夜は新鮮で好きだ。
「ふんふんふ~ん♪」
上機嫌に鼻歌を歌いながら帰り道をゆっくりと歩く。
「ちょっと、寒いかな」
肩から提げているポシェットからセーターを取り出し、着る。セーターって結構暖かいよね。
「よし。これで大丈夫」
あたしのこのポシェットはなんでも入る。……という訳ではない。飲食物は入らないのだ。便利なのか不便なのか。
「あちゃ。もう家だ」
しょうがないか。ベランダで夜風を浴びていよう。
と玄関をゆっくり開けた。
あたしをずっと見ていた目にも気づかずに。
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