バックヤード

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「実は…そういう君達にとっての『ワラ』を提案したいんだ。しがみつけるくらいの丈夫なヤツを」 「どういうこと?」 「君たちに活動をしてもらって、その評価で内申点を上げてこう、というものなんだが」 「なんだよ。んなこと言ってその活動っちゅうのが危険だったりすんだろ?」 「小松君。あなたそんなふうに考えが貧困だから退学予備軍に入るのよ。考えても見なさい?学校側にあなたたちのイメージアップを計るための活動なのに、非合法な活動なわけないでしょ」 「じゃ何よ?老人ホームでボランティアとか?」 「いいとこ突くわね檜山さん。…あなた達には」 「演劇をしてもらう!」 「か!会長!私のセリフ」 「いいじゃないか!言いたかったんだもん!」 「もんって…かまいませんけど…では残りの説明を」 「春日くんやって」 「はぁ!?」 「めんどくさいんだもん!」 「はぁ…子供ですか…まぁ、そう言うこと。演劇部として活動して、発表することで内申点アップをしていきます」 「そんな事でいいのかよ。それで先公どもは納得すんのか?」 「全教師に同意頂いたわ。あとはあなた達が観客である先生方を満足させられるかが問題よ」 「アタシ達シロートの集まりで、んなことできんの?アタシ小学校の学芸会で小人Bしかやったことないよ?」 「人間ならいいじゃねぇか!俺なんて『北風と太陽』で北風の吹く『風』をやるのにうちわで旅人あおいだんだぜ!みんなにはウケたけどよ」 「その辺は任せろ。その為に春日くんには来てもらったんだ」 「へぇ。春日って演劇の経験あるんだ」 「だてにガラスの仮面を読破してないわ」 「ちょっと待て!それ経験者じゃないよね?」 「何十回何百回と、本が擦り切れるまで読んだわ。私に任せて」 「任せらんねぇよ!なんだよ唯一の常識人かと思ったら一番ぶっ飛んでたな春日!」 「小松にツッコミ属性があったのは知らんかったわ。ま、アタシは乗っかるよ。あんたらどーすんの?」 「モチロン俺も乗る!」 「アンタさっきまで退学になってもいい的なスタンスだったじゃない」 「いやおもしろそうだしよ。それに残れるものなら残りたいわ」 「じゃ決まりね!アタシ等みんなその話乗るよ!」 「…あの…」 「ん?誰かなんか言った?」 「…いや…おれ」
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