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お袋は数年前から肝臓を患っていて、3・4ヶ月に一回は入院していたと聞いた。持ってあと3年くらいだと親父の方は医者に聞かされたらしい。
それでも亡くなる直前までは、検査結果の数値も良好で、あと5年は大丈夫だと言われていた。
なのに、そう診断されて一週間後に、お袋は死んだ。
肝臓から出血して、1日くらいは頑張ってくれたけど、駄目だった。
俺が知らせを受けたのは、本格的にヤバイという時で、けれどいつもの癖で、仕事中だったから、電話を取らなかった。
連絡が取れたのはそれから数時間後で、ひとまずお袋の容態が落ち着いた夜のことだった。
あと1日は大丈夫だろうという親父の言葉を信じて、朝一で向かうと言い早めに床に着いた。
大丈夫だと自分に言い聞かせ、無宗教なのに神様に祈り、無理矢理寝た。
ところが、目が覚めると携帯に着信があった。
親父からだった。
留守電は無言だったけど、むしろそれで全てを悟った。
お袋か亡くなったと。
俺は、間に合わなかったんだ、と…。
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