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喪服変わりのスーツを抱えて新幹線に乗り込むと、溢れてくる涙を流さないようにするのに必死だった。
本の趣味が合うお陰で、普通の親子よりも俺たちは仲が良かったと思う。しょっちゅう一緒に出掛けたりしていたし。下手したら親父よりも仲良しだったかも。
何より、俺の仕事を判んないなりに理解しようとしてくれたのが、嬉しかったんだろうな。親父は興味すら示してくれなかったし。
一種のマザコンだとは思う、けれど、親子と言うよりは友人のようなその距離感が、俺には居心地が良かったんだ。
そんな訳で、一番の理解者を失った俺は、新幹線の中で、薄情と言われそうだが、これからの事、仕事の事をひたすら考えていた。
そうしなきゃ、溢れ出す哀しみを堪えるなんて出来ずに、声を出して泣いていただろう。
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