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完全な、現実逃避だった。 でも、ちゃんと決めておかなきゃいけない事でもあったんだ。 俺には、当時高校生になったばかりの弟がいる。ただの普通の弟なら、ソイツに親父を頼んで、俺は迷わず仕事を続けていた。 所がどっこい、こいつは知的障害、しかも重度(まあ、言っちゃ悪いが単語しか喋れない、永遠の3歳児だし。)で、親父の面倒見る所か、逆に面倒を見てもらう立場だ。 …正直、怒られるのを覚悟で言うが、俺にとっちゃ迷惑な奴でしかない。 俺が子供の時は、テンションが上がって突然奇声を発したり、俺の部屋に勝手に入ってマーカーをパクってく(しかも噛み癖が酷くてキャップが潰れて開かなくなるし、インクが渇いて使えなくなるし!)弟が凄く嫌いだった。 今は、まぁ、それなりにだ。 けど、もし今度は親父が倒れたりしても、こいつにはなんにも出来ない。 つう訳で、お袋が亡くなってから2年後、俺は生まれ故郷に帰ってきた。
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