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「宏文の馬鹿っ!あんたなんか総受けになってしまえ!」
「やめてってば!」
宏文は俺と同じく、高等部から入学、所謂外部生。もちろん、一般庶民な俺たちにこの馬鹿高い学費は払えるはずもなく、学費免除の特待生入学である。
ガラリ、と音をたてて扉が開くと、数人の黄色とは言い難い黄土色の歓声が上がる。教室に入って来たのは、如何にも体育会系なイケメン大石 豊。豊はバスケ部のエースで正規の親衛隊はいないが、非公認ファンクラブがある。去年のバレンタインは凄かったな…全部男からだが。
汗を滴らせているところから見ると、バスケ部の朝練を終えた模様。彼は宏文の幼馴染みで、俺たち同様、特待生の一般庶民である。
黄土色の歓声に口元を引き釣らせながら、俺達のいる席に近付き、俺の頭を叩いた。
「痛いわっ」
「あんまりヒロ虐めんなよ」
「今教室入ってきたばっかじゃんか!エスパーかよ」
「ヒロの顔見りゃ分かる」
「過保護!」
この豊さん、見た目体育会系だが中身はオカンである。豊×宏文か!?幼馴染みカップルなのか!?
「俺達で妄想してたら殴るぞ」
「やだ豊さん、怖い!」
な ぜ ば れ た
さっきからオネエ言葉ばっか使ってる気がするが俺は至ってノーマルだ!ふざけてるだけ!勿論この二人もノーマルだ。
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