第一章 転校生は王道か

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漸く3人で騒いでいると、始業のチャイムがなった。それと同時に、さっきの豊さん登場とは比べ物にならない黄土色、いや最早茶色の歓声が教室中に響いた。担任、吉澤 聖夜のご登場である。 白のスーツに黒のシャツはボタンを4つほど開き、胸元には銀のシャレオツなシルバーのネックレスを引っさげた、名前の通りの見た目完璧ホストな教師である。 ホスト教師が教卓の前に立つと、歓声は収まる。よく訓練されたなんとやらだな。 「連絡事項は……特にないか。あ、明日転校生来るぞ」 キタ―――――!!!遂に!転校生ですぜ!グヘヘ 「長谷部煩い、キモい、座れ」 興奮の余り、立ち上がって叫んでしまったようだ。ホストに冷たい目で見られてしまったので大人しく座る。別に悲しくなんかないんry 「余ってる席は、ないか。んじゃ、窓際の1番後ろに机持ってきて置いてくれ。飯田、隣りだしよろしく。」 「えっ!?」 「平凡受けフラグ!!!」 「だから長谷部、うるせーよ」 はたまたホストに怒られたが俺はめげない! 転校生の隣りの席に平凡とか明らかフラグだろ!! 転校生の席は窓際の一番後ろ。しかもその斜め前には一匹狼くん(笑)こと早乙女芳樹、前の席には爽やかイケメンこと池田爽一。一匹狼(笑)と爽やか君に囲まれるとか王道転校生以外何物のフラグでもない。 「それから長谷部、お前部屋片付けとけよ。」 「え、何ですか?」 「転校生使うから。2人部屋1人で使ってんのお前だけだし。」 「ジーザス!!!」 聞いてない!聞いてないよ!! 寮は基本二人で一部屋。そして一般生寮と役持ち寮で別れている。 役持ちってのは生徒会とか各委員会の委員長と副委員長のことね。役持ち寮は一人一部屋で特待生も同じ寮である。しかし今年は特待生(というか主に外部生)が多く、特待生は二人一部屋になっている。 だが俺はたまたま抽選で当たり、一人で部屋を使っていた。ヲタク腐男子である俺の部屋、というかその転校生の部屋にあたる場所には棚に入りきらない漫画やら薄い本やらフィギュアやらでごった返していいて、俺の萌えの宝庫と言う名の物置と化している。転校生のせいで俺のオアシスがぁぁぁぁ!!! しかも転校生来るの明日とか…とても一日じゃ終わらない。
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