はじめに

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日が経つごとに、最初は期待と楽しみでしかなかった同窓会が、不安なものに変わっていった。 私は友達もいなかったのに、そんな私が行っても歓迎なんてされるだろうか? 同級生は、もうみんな結婚したり子供がいたりするだろうし、そうじゃないにしてもほとんどの人が定職に就いているはずだ。 私みたいに、親からの仕送りとちょっとしたバイトで暮らしてる者なんているだろうか? しかも、最近の私ときたら、外見もすっかり構わなくなって、見るも無残なありさまだ。 やっぱり、行くのをやめようか? でも、なんと言って断ろう? そうだ…当日になって、急な用事でもできたことにすれば…… そんなことを考える気持ちとは裏腹に、すっかり大人になったであろうクラスメイト達に会ってみたい気持ちはどんどん膨らんでいく。 会えば、そこからまた新たに友達になれるかもしれない…… そう思うと、私は久しぶりの美容院に足を運び、いつもの安売りの量販店よりは少しマシなブティックで、同窓会に着ていく服を選んだ。 伸び放題のぼさぼさで白いものがちらほらしていた髪は、ブラウンの艶のある髪に生まれ変わり、ちょっと気恥ずかしいような女性らしいカールがついた。 それに、奮発して買った花柄のワンピースを着込むと、いつもの私とはまるで別人のように思えた。 (……これだったら大丈夫よね? そうだ…苗字が変わってるのは、結婚したからってことにしよう! 滅多に会うわけじゃないんだし、何も本当のことを話す必要はないわ。) そう思うと、不安な気持ちはどこかにきれいさっぱり吹き飛んだ。 ただ、同窓会が楽しみで仕方なくて…… 一日が過ぎるのが、もどかしい程だった。
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