準備は念入りに

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 「何、そんなとこでつっ立ってんだよ、ボケ。マヌケ面が笑えるぜ」 誰のせいだと思ってんだ、ボケ。 ボケとか言ってくるんですけどー、ボケって言う方がボケだし。 あれ、そしたらあたしもボケになっちゃう感じ?  「いつまでそこにいるんだよ。さっさと来いや」 怖いんですけど目が一瞬輝いたんですけど?! あたしは渋々中へと足を進めた。 ここには涼くんたちしかいない。 “白虎“のお仲間さんたちはいないのかな。  「乙葉、例のモンは持ってきたか?」  「はいはい持ってきてますよ」 そう言って、あたしは右手にあるキャリーバッグを見せた。 家からここに運ぶの大変だったんだからね、重かったんだからね。  「乙葉ちゃん!準備しよ~」 はい?………準備??  「……何ボケっとしてるの?…早く準備はじめるよ…」 待ってください、みなさん。 準備ってなんのことすっか?聞いてないんですけど。 そんなことを露知らず、涼くんたちは準備に勤しんでる。  「準備ってなんの?」  「……は?」 いやちょっと待ってくださいよその目はなんすか? 見ないで!そんな、何言ってんの?バカじゃないの?みたいな目で見つめないでー。
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