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こんな場所で"白虎"の幹部全員がいる場所で真子さんは次々と言葉を紡いでいく。
その姿からはとても柔らかだとかほんわかなどという言葉は似つかない。
黒くてドロドロとした真子さんが目の前にいる。
「湊は優しかったし、甘い言葉も言ってくれた…でも!あたしが望んでも絶対に身体だけは重ねてくれなかった。いつも途中までだった」
「………」
「あたしが欲しかったのはそういうものなの!穏やかな恋なんかじゃない…もっと、夢中になるくらい激しい恋がしたかったの…!」
一体彼女は何を言っているのだろうか。
湊くんの気持ちも知らないで……勝手なことばかり言って…。
「ねぇ湊。もう1度やり直そうよ。もっとあたしを夢中にさせてよ!」
「───けんな」
無意識のうちに言葉が零れていた。
ダメ、そんなこと言っちゃ…。
でも止められない、もう後には引けない。
「ふざけんなっ!!」
あたしは辺りに響き渡る大きな声を張り上げていた。
あぁ、もう何やっちゃってるんだろう、あたし。
でも、もうここまで来たら進むしかない。
「ふざけたことばかり言って…あんたは湊くんの何を見てきたの?!」
「…っ」
「湊くんはあんたを大事に思っていたから簡単に手を出さなかったんでしょ!気づいてたんだよ、あんたが自分を見ていないことに」
これはあたしのただの考え。
でも多分湊くんならそう思ってたと思う。
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