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全くこの空気に染まらない蓮くんの発言にあたしたちは微かに苦笑いしてしまった。
さすが蓮くん、自分だけの時間が流れてますな。
「蓮。待ってた」
「遅くなって悪かったね。予定通り鈴ちゃんを預かるけどいいかな？」
「あぁ。頼む」
「じゃあ行こうか鈴ちゃん」
あたしは蓮くんに背中を軽く押されて車の方へと足を進めた。
車へ歩いてる中あたしは振り返り湊くんを見つめる。
「迎えに行くから、待ってろ」
「うん！」
湊くんの言葉があるからあたしは安心できる。
あたしはそのまま蓮くんと一緒に車の中へ乗り込んだ。
蓮くんはあたしの隣に乗り込んで、そっと運転手さんに声をかけた。
ゆっくりと"白虎"の本部が離れていく。
それと同時に湊くんたちの姿も小さくなっていき、ついには見えなくなってしまった。
「やっとあの女にガツんという日が来たんだね」
「え？」
「嫌いなんだよね、あの女のこと」
真っ直ぐ前を見据えたまま蓮くんはハッキリと嫌悪の感情を口にした。
蓮くんは好き嫌いがハッキリしてる人だ。
彼はなぜ真子さんが嫌いなんだろう。
「どうして嫌いなの？」
「腹黒いから」
それをあんたが言うか。
思わず心の中で突っ込んじゃいましたよ。
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