996人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの女は自分に全てを与えてくれるやつにしか興味ないんだ。中身じゃなくて外身にしか興味ないんだよ」
蓮くんの言っていることは本当に当たっていて驚いた。
「だから僕は嫌いだ」
「あたしは真子さんを許せなかったんだ」
「……」
「だからさっきみんながいるのに真子さんに怒鳴りつけちゃった」
「ははははは!怒鳴ったんだ?」
蓮くんは珍しく声を上げて笑い出した。
こんなに蓮くんが笑ったのを見たのは初めてだ。
「でも、その選択は間違ってなかったと思うよ」
「……そうかな」
「うん。涼も琉夏も隼汰も梓も、みんな感謝してると思う。それに、湊は嬉しかったんじゃないかな」
「嬉しかった?どうして?」
「だって鈴ちゃんは湊のために怒ったんでしょ?誰かが自分のために怒ってくれるなんて、嬉しいじゃん」
湊くんも蓮くんが言うようにそう思ってくれてるのかな。
迷惑をかけてないかな?
「ありがとう。湊のために怒ってくれて」
「あたしはお礼を言われるようなことしてないよ!」
「ううん、自信を持った方がいい。君は自分が思っているより、多くの人の力になってる」
蓮くんが恥ずかしげもなく素直に言葉を口にしてく。
蓮くんのそういうとこはすごく羨ましい。
最初のコメントを投稿しよう!