お怒り姫さん

14/19
前へ
/1172ページ
次へ
「あの女は自分に全てを与えてくれるやつにしか興味ないんだ。中身じゃなくて外身にしか興味ないんだよ」 蓮くんの言っていることは本当に当たっていて驚いた。 「だから僕は嫌いだ」 「あたしは真子さんを許せなかったんだ」 「……」 「だからさっきみんながいるのに真子さんに怒鳴りつけちゃった」 「ははははは!怒鳴ったんだ?」 蓮くんは珍しく声を上げて笑い出した。 こんなに蓮くんが笑ったのを見たのは初めてだ。 「でも、その選択は間違ってなかったと思うよ」 「……そうかな」 「うん。涼も琉夏も隼汰も梓も、みんな感謝してると思う。それに、湊は嬉しかったんじゃないかな」 「嬉しかった?どうして?」 「だって鈴ちゃんは湊のために怒ったんでしょ?誰かが自分のために怒ってくれるなんて、嬉しいじゃん」 湊くんも蓮くんが言うようにそう思ってくれてるのかな。 迷惑をかけてないかな? 「ありがとう。湊のために怒ってくれて」 「あたしはお礼を言われるようなことしてないよ!」 「ううん、自信を持った方がいい。君は自分が思っているより、多くの人の力になってる」 蓮くんが恥ずかしげもなく素直に言葉を口にしてく。 蓮くんのそういうとこはすごく羨ましい。
/1172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

996人が本棚に入れています
本棚に追加