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「蓮くんはほんとハッキリ物事を言うね」
「よく言われる。ま、悪いこともハッキリと言っちゃうけどね」
「でも黙ってるよりいいと思うよ」
「僕は君もなかなか素直な子だと思うよ」
そう言って蓮くんは微かに微笑んだ。
「湊が僕を頼るとは思ってなかったな」
「え?」
「特に鈴ちゃんを僕に預けるなんて驚いたよ」
なんだか楽しそうに笑う蓮くんは特に少し大人っぽい笑みを浮かべた。
車に揺られながらあたしは蓮くんの話に耳を傾ける。
「湊が鈴ちゃんを自分から離すことはないと思ってたんだけどな」
「え?どういうこと?」
「湊は鈴ちゃんを独占したいんだよ。分かる?」
全く分かりませんよ、蓮さん。
一体何を言っているのかね、分からないのだが。
湊くんがあたしを独占だなんて、絶対ありえないな。
「そんなはずはないよ。ありえない」
「いや、多分本当だと思うけど。湊は鈴ちゃんを誰にも渡したくないはずだよ」
「またまたご冗談を」
「僕は物事をハッキリ言うって知ってるでしょ?嘘はつかないよ。だからそんな湊が僕に君を預けたったことは、それだけ大事な話をするってことだね。あの女と」
蓮くんは何もかもを知っているみたいだった。
大事な話をこれから湊くんはするんだ。
けじめをつけると言っていた、多分湊くんは真子さんとちゃんと話をつけるつもりなんだろう。
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