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琉夏side
"白虎"に残った僕たちは口数の少ないみっくんから『真子は今まで俺たちを騙していた』という事実だけを聞いた。
それだけ聞いた時は正直ビックリしたし、信じられなかった。
でもそう言ったみっくんは敵視していた千尋さんの元から戻ってきてそう答えを出したんだ。
決して騙されているわけじゃない、自分で聞いてその答えを信じると決めたんだよね。
それに僕は前にあっちゃんが言っていたことを思い出していた。
あっちゃんは真子ちゃんが嫌いだと言ってたっけ。
そんな言葉からも真子ちゃんが僕たちを騙してたという真実を信じる証拠となる。
本部の中のリビングに入った僕たちはそれぞれお気に入りの場所に腰をかけた。
みっくんだけは真子ちゃんの向かい側のソファに座り、りょーくんは1人用のソファに腰を掛け、はーちゃんはテレビの前のソファに1人で腰を掛ける。
そして僕とあっちゃんはキッチンと一緒についてるカウンターの椅子に腰を下ろした。
「珍しいね、あっちゃんがここに座るの」
「ま、たまにはいいかな~ってね」
そう言って笑うあっちゃんだけど、あっちゃんは決して無意味な行動はしない。
だからこの行動にもきっと意味があるはずなんだ。
部屋の中が静寂に包まれると、その中でそっとみっくんが言葉を口にした。
ここからは僕らは話を聞くだけ、何も言うことは許されない。
「俺たちを騙してたことは事実なんだな」
「…千尋の言葉を信じるの?」
真子ちゃんの問い掛けに答えないみっくん。
どうしちゃったのかな。
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