秘密姫と最強男子たち☆

春の港の風のような

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真子side

愛されるってどんな感じなんだろうか。

愛されると心がすごく満たされて幸せな気持ちになるって聞いたけど、あたしはそんな想いを知らない。

だってあたしは家族の愛すら知らないんだから。

母親も父親も家に帰ってくることは滅多にない。

お互い夫婦のくせにいつも違う人と一緒にいる。

たまに家に帰ってきたと思えば甘ったるい匂いをまとい、すぐまた家を出ていく。

こんな状況の中であたしはずっと生きてきた。

幸か不幸か顔だけは綺麗な部類に入る顔立ちをしてると思う。

顔目当てで近づいてくる男はたくさんいたため、誰でも相手にしてきた。

愛を知ろうと思って、求めようと手に入れようと思ってた。

だけど、家族にすら愛されたことのないあたしが、誰かの愛を知ろうだなんて無理がある。

周りの女の子たちが大切な人に愛される喜びを知っていく中、あたしだけはそれを知らないままで生きていくんだ。

誰からも好まれるように自分を演じ続ける。

ほんわかしてて柔らかい雰囲気、それがみんなのあたしへのイメージだった。

それを演じ続けて悪いことはない。

みんなそのイメージのあたしの姿に騙されていくんだから。

きっとあたしの心は真っ黒だろう。

愛を知ったら、あたしは白くなれるのかな──。