春の港の風のような

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彼らが湊の言う仲間なんだろうか。 「紹介する。右から琉夏、隼汰、梓だ」 可愛らしい顔の男の子が琉夏くんで黒髪の子が隼汰くん、色っぽい男の子が梓くんということが分かった。 「はじめまして、白石真子です」 湊の彼女としてあたしはみんなに自己紹介をする。 あたしはまだまだ湊を知らなすぎた。 「千尋さんは?」 「彼女とデートだよー。もうすぐ帰ってくるはず」 そう言いながら琉夏くんと隼汰くんは立ち上がり部屋を出ていく。 その後を追うように梓くんも部屋を出ていった。 残されたのはあたしと湊と涼くんだけ。 「お前ら、ほんとに付き合ってたのか」 「嘘じゃない」 「湊は彼女とか作るようなやつじゃないと思ってた」 その口ぶりから涼くんは昔から湊を知っているようだ。 その時、ガチャりと言って部屋の中に入ってきたのはダークブラウン色の髪の綺麗な男の子だった。 多分、この人が湊の言ってた尊敬する人なんだろう。 「あれ?湊。お客さんかな?」 「はい。俺の彼女です」 「そっか!湊にもついに彼女ができたのかー。俺も嬉しいや」 左耳に輝く勾玉のピアスが特徴的な彼はすごく中世的な顔をしてる。 その彼はあたしと湊が座るソファの向かい側のソファに座るとニコリと笑った。 「俺は七瀬千尋。よろしくね」 これが初めての千尋さんとの出会いだった。 「はじめまして、白石真子です」 「君が湊の彼女?可愛らしい子で良かった」 そう言って笑う千尋さんの笑顔はすごく素敵だった。
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