春の港の風のような

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「真子ちゃん、湊をよろしくね」 こんな素敵な人に愛されてる彼女は一体どんな子だろう。 きっと彼女も素敵なんだろうな。 その日あたしは初めて湊の仲間を知った。 そして湊の尊敬する人にも会えた。 また新たな一面を知ることができたことが嬉しい。 そしてあたしは湊と共に”金龍”の本部を後にした。 2人で人気の少ない道路を歩く。 「ねぇ、湊」 歩いていた足を止めてそっと湊の名前を呟く。 湊はそっと振り向くと優しい眼差しであたしを見つめた。 「どうした」 「抱き締めて……」 千尋さんという人を見てあたしはちゃんと湊に愛されてるのか心配になったんだ。 こんなにも自分が愛に飢えているだなんて思ってもなかった。 愛を知らなくて湊に愛を教えてもらってからというもの、湊からの愛を感じなきゃ不安になる。 だけど湊はあたしがそう願うと必ず願いを叶えてくれた。 「寂しいのか?不安なのか?」 そう言いながら湊はあたしをギュッと抱き締めてくれた。 いつもの温かくて優しい湊の香りを感じ、安心が広がっていく。 「ねぇ、湊。湊はあたしを愛してくれてる?」 「突然どうした」 あたしの不安を取り除くように何度も髪を撫でてくれる。
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