春の港の風のような

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「湊がいなきゃ、あたしは生きていけない…」 「大丈夫だ」 ギュッと抱き締めてあたしの耳元で囁いてくれる湊。 「俺がいる」 湊が言葉で行動で愛を表現してくれるおかげで、あたしは愛を感じていられる。 何が正しい愛なのかあたしには分からないけど、これが正しいのだとあたしは信じるしかない。 湊と付き合い始めてから2ヶ月が経ったある日、あたしはまた”金龍”の本部を訪れていた。 本部に湊や千尋さんたちはおらず、あたし1人だけだ。 湊と付き合い始めてから2ヶ月経った今も、湊は変わらずあたしを愛してくれてた。 抱き締めてと願えばそうしてくれるし、寂しい時はいつもそばにいてくれる。 「失礼します…」 あたしのいる部屋にノックをして入ってきたのは1人の女の子だった。 可愛らしい顔をした明るい雰囲気の女の子。 「あの、少しいいですか?」 「…どうぞ」 この子、誰なんだろう……。 「あたし、鈴野乙葉といいます」 「……もしかして千尋さんの彼女?」 「あ、はい…」 乙葉ちゃんは恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに頷いた。 彼女があの千尋さんに愛されてる女の子なんだ。 「ねぇ、あなたは千尋さんの愛を感じてる?」 「え?」 真っ直ぐ乙葉ちゃんを見つめて言葉を促す。 この子は一体どう答えるのだろうか。 「すごく大切にしてくれてると思います」
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