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え? えっ?
笑っている姫に僕が戸惑って言葉も出せずにいると...
「王子の心臓ドキドキゆってる~。
生きてるって感じがして、なんか落ち着くねぇ。」
そして僕のことをぎゅ~っと抱きしめると
ぱっと顔を上げて上目遣いで僕を見たと思ったら
にっこりと いたずらっ子みたいな笑顔を向けて
するりと腕をほどいて僕の腕の中からすり抜けた。
「さあ、王子。
また一緒に旅の続きをしましょう。」
姫はそう言って、ほうけてる僕の両手を取って引き寄せて
くるりと回って僕の左側へ滑り込み
僕の左手と姫の右手がぎゅっと繋がって
僕らは森の小道を歩き出した。
葉っぱの重なりの隙間から木漏れ日が差し込んで
森は優しい緑で包まれていた。
時々、そよそよと吹く風が頬をなでていくのも心地良かった。
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