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突然の告白に絵筆が顔色を無くす。
「な、お前……っ!?人間のクセに、精霊を…!」
「すごい慌てようだな。そんなにヤバいのか?精霊って。」
「ヤバいも何も!確か、前も言ったか?あいつらは別格なんだよ!うちも霊体としての密度はかなり高い方だけど、でも、守りきれるとは、限らない…」
だんだん声が萎んでいく。
っていうか、
「そういう意味じゃない。」
「へ?」
「危険性はあるのか、って話だ。ほら、触らぬ神に祟りなしって言うだろ?何もしなければ大丈夫だとか。」
あぁ、と得心がいった様に頷く絵筆。
「それは大丈夫やと思うよ?少なくとも人間を積極的に襲う様な輩はおらへんと思う。そもそもあいつらが本気で人間に力を振るったら人間なんて跡形も無くなるしな。」
ギョッとする。
「おいおい、まさかの物理攻撃かよ…」
基本、絵筆の様な妖は人の魂を糧に存在しているので、物理攻撃はあまり得意では無い。中には物理攻撃主体の妖もいたりはするが、人間も黙ってやられている訳では無いし、すぐに足が付いてしまうのであまり長生きはしないそうだ。
「さっきからうちが脅威言うとるのはそういう事や。うちの能力じゃあ太刀打ちできない。」
確かにな…
「やから、宗灼!絶っっっ対にあいつらに手出ししたらあかんで!害を与えるなんてもってのほか、っていうかそもそも関わりを持つ事すらやめておいた方が良い。宗灼の言ったとおり、触らぬ神に祟りなし、や。」
うん。肝に銘じておこう。
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