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街を歩きながら話をしていると眼鏡をかけた男が駆け寄ってきた。
「エリさーん!」
「げっ。」
露骨に嫌な顔をしたエリを無視して男は詰め寄る。
「心配しましたよ!エリさん!帰りが遅すぎます!牙狼などあなたの実力なら簡単に・・・。」
「煩い。」
「?。何か言いました?」
「あー。彼よ。」
「彼?何処に?」
「ん」
エリは人差し指を下に向けた。男も指先を見るとシュンの顔が映った。
「・・・だめだよーボクー。歳上には礼儀をぷげら!?」
子供に言い聞かせるような口調にイラッときたのか男の顔面(主に眼鏡)を殴った。軽く殴ったつもりだったが男は3mは飛んだ。
「ふーん。身体能力は高めか。」
「シュン君。」
「ん?」
「GJ☆(キラッ」
どうやらエリもあの男は嫌いだったようだ。笑顔でシュンにサムズアップをしている。
「あの人、嫌い?」
「うん。性格悪いし、いつも近いんだよね。」
「な、なんですとー?!」
「「煩い。」」
「ハモった?!」
「黙ってよ。モブキャラ。」
「モブ?!」
「出落ちキャラ。ブサメン。モテないオタク。究極の脇役。」
「・・・(どしゃ)」
男は膝から崩れ落ちた。シュンが完膚なきまでに男の心をへし折ったのだ。
「ガタガタガタガタ。」
流石にエリも恐怖を感じたようで産まれたばかりの小鹿ばりに震えていた。
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