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一方の可愛は大学を終えて、軽い足取りでバイト先である樹利のショップに向かった。
裏口から入りスタッフルームで黒いシンプルかつ洗練された制服に着替え、
「おはようございます」
とショップに顔を出す。
するとたくさんのスタッフ達が「おはようございます」と声を上げた。
フランス人スタッフも多く、彼らは皆日本語が堪能だった。
店内にはズラリとかけられた服を吟味しているOLらしき女性や、美容スペースでヘアセットやメークを施される女性がひしめき合っていた。
樹利は奥の応接スペースで顧客とデザインの打ち合わせをしているようだった。
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