~プロローグ~

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回転釜をタワシで洗い、空焼きして油を塗って、調理師はパートさんが用意してくれた冷たい麦茶を一気に飲み干した。 「ぷはぁ。喉が渇いてたから超うまい。さてと残りの仕込みをやろうかな。」 仕込み途中だった玉ねぎをまな板の上にのせ、包丁を握ると またパートさんが 「すいませーん。B定食もあと10食分作って下さい。」 ―ッたく。 仕込みが進まないよ。今日はタイミングが悪いなぁ。 そうブツブツ言いながら、調理師はフライヤーの前に立ち、漬け込んでいた鯖を手に持ちカレー粉を混ぜた片栗粉にまぶして揚げはじめた。 すると勢いよく厨房の入口のドアが開き、風が入ってきた。
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