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「セイラちゃん、私とタツキの関係が気になる?それもそうよね、こっちの世界でのタツキことは全然教えてもらってなかったんだものね!」
「え?はい、そうですね……」
俺の考えてたことが読まれた?いや、そんなまさか、クワさんじゃないんだ。………俺は口に出してなかったよな?どうしてだ?
「どうしてって?………顔よ。セイラちゃんは考えてることが顔に出るのよ!それも凄くわかりやすくね!」
「そ、そうなんですか………」
顔に出るとは紗夜達にもよく言われるな。俺ってそんなにわかりやすく表れるのか?一回鏡でも見ながら確認してみようかな?
「ともかく、あたしとクランは同級生で昔の旧友だ。これで納得したか正羅?」
「したよ。したから睨むなよ」
「だったら本題に入るぞ。正羅、まず右手と右目と腹部の傷を見せてみろ?」
「わかった………」
本題ってことは、燵姫は俺の状態を見にここに来たんだな。闘技会を見るだけなら俺達の家に居ればいいからな。
右手と腹部の包帯を、サリル先生に手伝ってもらいながら解いた。右手は黒いままだが、血管の浮き上がりは少し治まっている。腹部には傷跡だろうな、黒い線が残っていた。右目は変わらず白目が黒いまま。
「これは………ふぅ~ん、なるほどな。じゃっ銃を出せ。多分無理だろうがな」
ぼそっと無理って言ったよな?銃を出せって言ったくせに無理だなんて、いつも通りにやれば出来る!………はず、だよな?
「………出来、た……あれ?」
出来ない?っていうより、壊れた?右手の手元に黒と蒼の魔力が集まって、銃を形成しようとしたところでバラバラに魔力が散ってる。
「早く出せよ?出来ないなら無理やりに出そうとするなよ」
「出せるよ!ちょっと見てろ」
集中しろ俺、さっきは気が散ってたから出来なかったんだ。もう一度、いつも通り召喚する感覚を思い出しながら。
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