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「ほら出来、ない………。なんでだよ?」
一回目と同じように魔力は集まるものの、銃の形になる前に魔力が散ってしまう。
「セイラちゃんが銃を出せないのは、ミヤネはどうしてだと思う?」
「はいクラン様。拝見したところ、セイラ様は特殊な二種類もの魔力を持っています。だからこそ、その二種類の魔力のバランスが崩れた為銃が出せなくなったと思われます」
なるほどな、ミヤネさんの説明は分かった。普通は一種類だから魔力は一定だ。でも魔力を二種類持つ俺は、安定はしても一定じゃない。二種類持ってるのも大変だな。
「そうね、大体は合ってるわね。でしょう、タツキ?」
「大体と言いますと、付け足すことか、間違いが有りましたでしょうか?」
「間違いは無いというか………正羅、左手に銃を出せ」
「はあ?手を変えたからって出来るものじゃ─」
「──うだうだ言ってないで、さっさとやれ!」
「はい………」
どうせ出来ないと思いつつ、燵姫の剣幕に押されて試した。左手に魔力が集まって銃が形成された。
「あれ?出来た。どういうことだ?」
「正羅の魔力バランスが崩れた訳じゃねえ。ただ黒い部分に一種類の魔力が溜まってせいで、そこだけ魔力バランスが崩れて召喚を邪魔してるんだろう」
「じゃあ、黒くない左手でなら銃は使えるんだな!」
「高我君、良かったですね!」
「右手に持つと使えねえ、気をつけろよ。………と、銃を貸せ」
「ん、ほら」
燵姫に左手に持つ銃を渡した。手に持つ銃の全体を観察すると、一瞬目を見開いた。だけど何も無かったように俺に返した。
「包帯を巻きなおして、銃を直せ。黒くなった部分はここにいる人間以外に見せるな。それと武器変化は………。なんでもない」
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