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「俺はわかってるよ、燵姫。二度と武器変化はしない、安心しろよ。力に使われない、力を使いこなしてやる!」
銃を直し、サリル先生に包帯を巻きなおしてもらいつつ、燵姫にそう言うと、驚いた顔をした。が、すぐに見下すように微笑んだ。
「何言ってる、当然だろう。お前は燐火を連れて部屋に行ってろ」
「ならミヤネ、セイラちゃんが迷子にならないように連れて行ってあげて。もちろんセイラちゃんがリンカを背負って行くのよ!あ、部屋はリンカの部屋を一緒に使いなさい!反論は無しよ!」
「はぁ………いつも通りだな。もう慣れましたよ」
「クラン様がそうおっしゃるのでしたら、承知いたしました。セイラ様着いて来てくださいませ」
燐火を負んぶして、俺を時折睨むミヤネさんの後ろを着いて行き部屋を出た。
燐火を背負った俺とミヤネさんが広間を出て行く間、燵姫とクランさんとサリル先生はただ見ていた。
「サリル先生と言ったか。魔雪に頼まれて正羅を監視でもしてるんだろう?名前も本当のじゃねえんだろ?」
「私は自分の意思で高我君を見守っているだけです。理事長に報告はしていますが。でも名前は本当ですよ!疑い深いですね!」
「タツキは昔と変わらないわね!少しは人を信じなさいよ」
真剣に目を細めてサリル先生を観察し警戒していた燵姫は、微笑むサリル先生とクランさんの雰囲気で警戒を解いた。
「お前は心が読めるから、疑う必要なんて無いもんな」
「読めないわよ、てきとうよ!」
「クランに読めない相手か。サリル先生よ、あんた何者だ?普通の教師、なんて言わないよな」
「普通の教師ですよ!ただ私はあの世界を知る者です」
サリル先生の言葉聞いた燵姫とクランさんはビクッとした後、お互いの顔を見た。そして何かを理解したように頷いた。
「あのぉ、私のことはこのくらいで。高我君のことを話しましょう!」
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