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「う…………ううーぅん!」
「暴れるなよ………」
燐火の頭の枕になってる手で軽く抱きつけながら撫でて、もう一方で抱きしめると同時に背中を優しく叩く。すると燐火は静かになった。
「お休み、燐火………」
「………うん」
──〔*〕──
「本当にいいのかよ?もう少し、明日の朝でもいいんだよ」
「大丈夫よ!どうして十六夜が悲しそうな顔をしてるの?」
正羅の腕の中は暖かくて、ようやく眠ろうとしていた時。気配をほんの少し感じて窓を見ると、十六夜ちゃんが手を振っていた。そして私は私服に着替えて、今中庭にいる。
「だってよ………」
「何があっても大丈夫よ!私は強いから。十六夜ちゃん行きましょうか?」
私が望まない結婚は認めないわ。結婚するまではこの街に影響が出るから何もしないけど、その後隙があったら抜け出してやるんだから。
「ねえレストニア城の外を見回ってる兵の人数は?」
「精鋭部隊五十人と一般部隊百人ってくらいやな」
「意外と少ないわね」
「外で見回りする兵の人数にしては多いほうやな」
そうなのかしら?国王の結婚式なんだから貴族や街の当主やら重要人物が集まるでしょうに、外の見回りはそれだけなの。
「行くなら行こうか?」
「ええ、行きましょう!またね、正羅」
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