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「もう一つ要ります?」
「いや、……はい、ありがとうございます」
これもおいしいです………。
「では、日頃授業で眠っていて聞いてない高我君に“武器変化”を教えますね」
「……お願いします」
「“武器変化”というのは武器の形状を一部もしくは何カ所か変化させることです。名前通りなので覚えやすいですね!」
「はい……」
なんでだろう、そう言われると物凄い馬鹿と思われてる気がする。まあ俺の気のせいだろうな。ミヤネさんの視線が冷たいのも。そんなことも知らないのかって思ってるんじゃないよね!
「武器変化はとても難しく、出来る人はそうそういません。学園内の全生徒でも出来る人は一人か二人ですね。教職員でも三人くらいですから」
「サリル先生、質問していいですか!?」
「はいどうぞ!」
「魔武器の形状全てを変化させることって出来ないんですか?」
何カ所出来るなら、それを同時にやれば全てを変化させることも出来ないってわけじゃないだろう。
ってそう思って質問しただけなのに、ミヤネさんがさっきより冷たい、馬鹿にするような目で見てくる。
「それは不可能ですね。魔武器の形状を変化させるということは、自分自身の魔力を変化させるということです。魔武器の形状全てとなると、魔力全てを変化させるということですから、魔武器も魔力も制御出来なくなると思います」
「へぇー、なるほど。魔力を変化ですか………」
全ては不可能か。でも何カ所かだけなら俺にも出来るかもな。今度一度試してみる価値はあるな。けど俺、魔力の制御あんまり出来ないんだった………。
「あっでも確か壊乃理事長と、高我君の師匠霧野さんは完全な武器変化が出来るって噂がありますよ!」
「噂ですか……。燵姫が─」
「──霧野って、あの霧野 燵姫様でございますかぁっ!!?そうですよね!だって今燵姫って申しましたよね!!」
いきなり凄まじく興奮した様子のミヤネさんが馬車の前方に付いている。手綱を引く人に指示をする為の窓から覗き込んで来た。
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