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「また学園に通えるようになって良かったな」
「お父様が一年間だけってしてたのは、あの計画があったからだもの。もうリサインに止まってる必要はないもの」
「そうだよな。それにしても久しぶりに理事長室に来たような気がするな」
「久しぶりと言えば、そうね。でもどうしてここにいるのかしら?」
「さあ、知らないけど俺は無実だから、教室に戻る」
「じゃあ私も」
「ちょっと待って、あなた達はどこに行こうとしてるの………?」
理事長室を出て行こうとドアに向かったとき、俺が手をかけるよりも先にドアは開き、壊乃理事長が現れた。
周りの空間が冷たく感じさせるほど怒気に、俺と燐火は青ざめて冷や汗を掻く。
「久しぶりに学園に出て来たと思ったら、何も変わらないのね。あなた達は………」
「「すいませんでした!!」」
「元気があるのは結構だけど、今日は闘技会なの。人が集まる前に治さないといけないこっちの気持ちも考えてね!」
風邪は一日休んだだけじゃ治らず、今日まで俺は学園を休んでいた。そして久しぶりに学園来たら、理事長室に呼び出された。理由は明らかで、自覚している。
「で、今日はどんな痴話喧嘩?」
「「痴話喧嘩じゃないですっ!!ただのウォーミングアップです!!」」
「ウォーミングアップで学園を破壊されたら困るの!痴話喧嘩でも困るけれどね。はぁ………とにかく原因は?」
「正羅が私より早く風邪が治ってたって言ってるんです!絶対私のほうが先に治ってたのに!」
「いや俺のほうが先に治ってたよ!昔から病気には強いんだ」
「昨日の夜はあんなに辛そうだったくせに!」
燐火は昨日の夜には家に帰って来ていた。
風邪が治りかけているとはいえまだ頭がくらくらしてだるく、熱もあり寒気もする。………これ治りかけてるのか?
とにかく俺はベッドで寝ていた。そのときドアがゆっくりと開かれる。
「正羅ぁ、もう眠ってる?」
「ん?あれ燐火、帰って来たのか?」
「明日は闘技会だから早めに帰って来たのよ。それより正羅も風邪なの?」
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