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「見事ですねっ!さすがは現役のメイドさんです!これは私も負けられません!!」
なに?サリル先生はミヤネさんと何かの勝負をしてるの?なんで燃えてるの?やっぱり不安になってきた。幽霊のメイクをしてる人に頼んで良かったのか?
「サリル先生、幽霊メイクじゃないですよ?俺を女性に見せるメイクですよ。間違わないでくださいよ」
「そんな念を押さなくてもわかってますよ!可愛い女の子に仕上げてみせます、安心してください!!」
「不安だ………」
俺の呟きは聞こえてなかったのか、サリル先生はにこやかにいつもの鼻歌を歌いながらメイク道具を広げる。心地いい歌で俺は目を閉じた。
前から思ってたけど、サリル先生の鼻歌ってなんだか懐かしい感じがするんだよな………。でもこの歌をどこかで聞いた覚えは無いし。
サリル先生の歌を聴きつつ、そう思ってると歌が止まった。目を開けてみると、サリル先生がキラキラと瞳を輝かせていた。
「可愛いですよっ高我君!!本当に女の子にしか見えません!!」
「セイラちゃんで御座います、先生。しかし、本当に女の子にしか見えないです。いっそのこと、メイドとして働きますか?」
「絶対に嫌だ!!くそっなんでこんなことに!」
いやまあやってくれって言ったのは俺だけどさ。サリル先生の持つ鏡に映る人物は、ウェーブのかかった長く綺麗な茶髪で蒼い瞳だった。
「美しき、なぞのメイド!完成です!!」
「セイラちゃん可愛いです。お嬢様には及びませんが、やはり幼い頃から女装をし、素質が有っただけはあります」
「まさかここまで可愛くなるとは思いませんでした!誰も高我君が女装しているとは思いませんよ!」
俺の姿を見て勝手に感極まって、サリル先生とミヤネさんで喋っている。俺は自分自身の姿を見て、考えごとを少しして結論を出した。
「盛り上がってるとこ悪いんですけど………。これメイド服着て、ただカツラ被っただけですよね?」
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