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「えー、聞いてくださいよっ!可愛い顔してセイラちゃんは酷いです!」
「なっ!」
拗ねた口振りで頬袋を膨らませて、じっと俺を睨むサリル先生。
この人は子供かよ?自分の年齢が何歳かわかってるのか。……サリル先生って何歳なんだ、結構若く見えるけど………。
メイクで誤魔化してて実際は、案外な年齢だったりして。
「そんなじっくり見たって、私は普段ノーメイクです!いくらメイクが上手だからって、年齢をメイクで誤魔化そうなんてしてません!!」
「あはははっ……ですよね……」
俺って考えてることが顔に出やすいんだろうな。だからサリル先生は俺が考えてたことに気づいて否定できたんだろな。
そういえばあいつにもよく、考えを読まれてたっけ。
「じゃあ行きましょう!」
「わたくしもレッツゴーと言いたいのですが。しかし、あと一つ問題があります」
ミヤネさんは絶対に『レッツゴー』なんて言わないだろ!もの凄い棒読みだったし、全然言いたいような表情をしてないもの!
「問題って何ですかミヤネさん?私的には、セイラちゃんの外見は完璧だと思います」
「はい、外見は完璧なのです。あとは内面が問題なので御座います。セイラ様に分かり易いように言うと、言動と声と呼び名です」
「なるほど、台南さんの前でセイラちゃんなんて呼んだら、いくら完璧な女装をしていてもバレちゃいますね!」
確かに。いくら完璧な女装で、外見では気づかれなかったとしても俺が普段どおりに振る舞ったり、ミヤネさんがセイラちゃんって呼んだら気づかれるのは目に見えてるな。
「言動はミヤネさんを真似るとして」
「声はセイラ様があまり喋らない、もしくは女性らしい声を意識して頑張るとしまして」
「では名前は、私たち三人の名前を一文字ずつ取って、〔セリネ〕ちゃんと名づけましょう!!」
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