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「と、考えていた時期が俺にもありました」
「へぇー、ダンジョン買ったんだ。で、どんなダンジョンにしたの?」
人気の無い放課後の教室で、親友である丸山智貴(マルヤマ トモキ)と2人で駄弁っていた。
話の内容は、昨日俺が買ったダンジョンシステムについて。
「それが……作り方が分からないんだわ」
「はぁ?」
「いやそのー、昨日は夜遅くにブレワーにログインしたんだけど、何故かテンション高くてな。そんな時にふとダンジョンシステムのお知らせが目に入ってきて……」
「つまり、真夜中のハイテンションのノリで買ったと」
「その通り!」
小柄な体型のトモキが大きなため息をつく。
「じゃあダンジョンについてどのくらい知ってるの?」
「それが困ったことに何も知らないんだよな。権限を買ってから使い方が分からない事に気づいて昨日はログアウトした」
「馬鹿なの?」
トモキが心底見下した目をする。チビのくせに。
「という訳で頼む! 俺の500円を無駄にしない為にダンジョンを一緒に作ってくれ!」
「無理」
「即答っすか」
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