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「じゃあ、9時にいつもの所で集合ってことで」
「オッケー! 私がアオイちゃん達に連絡しとくね」
そう約束して駅前に着いた所で別れる。
トモキは電車に乗るため駅のホームに入って行き、俺とカナは別々の方向へ歩いて自宅に向かう。
といっても俺の家は駅前すぐのマンションで、もうかなり近い。
「ただいまー」
誰もいない家に俺の声がしんみりと響く。俺は1人っ子だし、両親とも働いていてまだ帰ってないみたいだ。
手洗いうがいをして部屋着に着替えてからベッドに横になる。早速ブレワーにログインするためだ。
枕元に置いてある銀色のコネクターを手に取り、左手首に装着する。
『コネクターの装着を確認しました。接続を開始します……』
頭の中に声が響く。この声はコネクターを着けた本人にしか聞こえないようになっている。
『10%完了。只今の時刻は2056年9月15日、金曜日の午後5時37分です。ダイブ中は昏睡状態になるため、戸締まりや火元を確認して……』
時間を告げた後、お決まりの注意が流れる。
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