第1話

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俺は、姫さんのことが好きだった。 よくある、「気づいたら」ってヤツだ。 でも、姫さんには想い人がいた 一目で、叶わない恋をしてるんだとわかった。 必死に隠してたらしいが、バレバレだっつの。 報われない恋、というのだろう、この想いは そんな 報われない恋を、どれだけ続けただろう 姫さんはますます美人になって、 俺は寿命を医者に言い渡された。 そんな時、お前が笑わなくなったのが、ひどく気がかりだった。 今思えば、それが、お前を好きになるキッカケだったんだよな お前の笑顔を取り戻そうと、色んなコトをした 諦めろと、何人かに言われたけど、どうしても、諦めたくなかったんだ。 寿命のことを知っても、変わらず接してくれて、 無茶をしたら、怒りながら心配してくれて、 些細なことも笑い飛ばして、 そんなお前を、少しずつ、好きになって。 キスを求められた時、本当は、少し嬉しかったんだ 「ちょっとだけ好きだった」なんて言ったのは、 その時はまだ、お前を好きになり始めていたことに気付いてなかったし、少しでも、笑ってくれればいいと想ったんだ 姫さんにしっかり振られ、お前の子供に会って、なし崩しのようではあるけど、 やっと、好きだということを自覚した。 この先、どれ位生きてられるか分かんねぇけどさ、 でも、その全部を、お前にやるよ 傷つきあった分、 傷付けちまった分、 俺が絶対、幸せにするから
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