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「……すー……すー……」
「うにゃ……」
ずり
「うにゃっ!?」
バキバキバキドサッ!
「うおっ!?」
「いつものことだ。気にするな」
「お、おう」
「うにゃぁ~……」
自分の家から落ちた猫又がはるか下で伸びをしている。
人間だったら骨の一本、下手したら死亡している高さである。
「……本当にお前達の身体は丈夫だな」
「じゃなきゃ、自分達の能力もまともに使えんだろ」
「それもそうだ」
地面から約五メートル上空。
大きな木の上部に作られたツリーハウス。
そんな場所にたまの家がある。
猫又達の住処は木の上に作られており、上るためのロープや階段等は一切ない。
ここに来るには空を飛ぶか、木をよじ登るか、猫又のように木々を蹴り飛んでくるしかない。
落ちた猫又は、まだ眠いのかその場でごろんと横になってしまった。
……あれだけ丈夫ならクロに身体の拭き方を教えなくてもよさそうだったな。
「シン達の怪我も完治した。治ってないのはお前だけだ、恭介」
「え、サキも完治したのか?」
「あぁ、センがつきっきりで治療していたからな」
「……尾と耳……足はどうなったんだ?」
「生えた」
「生えた……だと?」
「ガマ達の能力を甘く見るなよ。それにサキはそのガマの長のセンに見てもらったんだ。当然だ」
「……俺、センと仲良くできるように頑張るわ」
「それも良かろう。とにかく早く治すことだな」
「ん? なんだ? 俺の心配か?」
「違う。クロを思ってのことだ」
「ですよねー」
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