【Ⅲ】歓迎会を開いてもらいました。

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「うっわぁああ、すごい……!」 オルガは目を見開き、感嘆の声をもらした。 ライデュース城の吹き抜け、謁見の間。 天井からは目を見張るような眩い光を点すクリスタルシャンデリアがいくつも瞬き、壁際には名画や彫刻などの骨董品がいくつも並んでいる。 大広間には赤色のカーペットが敷かれ、テーブルクロスが掛けられた丸テーブルがいくつも並んでいる。 テーブルの上にはいくつものケーキスタンドが点在して置かれ、シフォンケーキやティラミス、ショートケーキなど、様々なケーキの他、クッキーやプディングなどが行儀よく並べられている。 よくよく周囲を見渡してみると、召し使い達はティーポットやストレーナー、コジーなどのアイテムを手にしている。 この感じから、歓迎会というよりは、お茶会のようなものだとわかる。 オルガはハッ、と我に返り、城の主を探した。 アナスタシアがこれは『歓迎会』だと言っていた。 すぐにも彼の元に赴き、礼を言うのが礼儀というものだろう。 (この間のような失態を犯さないようにしないと……!) 本日は使用することがないだろう、玉座には埃防止にと薄手のヴェールがそっと掛けられている。 いくつもの丸テーブルをかき分けて進むと、オルガはハッと息を飲んで立ち止まった。 ゆったりとした椅子に腰掛け、ストレーナーに通したばかりのカップを手にして水色や香りを楽しむ――そんなレイモンドのしぐさはあまりに優雅だった。 オルガの気配に気付いたのだろう。 レイモンドは口許に寄せていたティーカップをソーサーに戻して手を離すと、まっすぐにオルガへと顔を向けた。
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