【Ⅲ】歓迎会を開いてもらいました。

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「ああ、そうだな。 ではオルガ、君は戦争とワインについての関連性を知っているか?」 「…………えっ?」 (戦争? ワイン? 何の話だろう) 先に質問したのはオルガの方だったにもかかわらず、レイモンドから逆に問われ、オルガは首を横に捻った。 「戦争は美酒と同じだ。 一度酔ってしまえば、酔いが醒めるまでずっと酒に呑まれる。 勝利に酔いしれ、狂気に躍らされる。 私は戦争を掌握する側の者。 だから私はワインを口にしないのだ」  そう言って紅茶を含むレイモンドの姿にオルガはほぉっ、と息をついた。 (かっこいいにも程がありますよ……レイモンド様)  オルガはそのままずっとレイモンドを見続けていた。 いつまでも見られていることに居心地の悪さを感じたのだろう。 「…コホン……ということにしておいてくれたまえ」  先程よりも小さな声がオルガの耳に運び込まれ、思わずオルガはくすくすと笑ってしまった。 (そうか、レイモンド様は他人に弱味を見せる訳にはいかないんだ) 「はい、レイモンド様」  完璧に思えたはずのレイモンドにも弱点があると分かり、なぜだか親近感が湧いた。  きっと、それすらも狙いだったのだろう。 「わが城のコックは腕がいい、オルガ、君も存分に楽しむといい」  そう言ってレイモンドはケーキスタンドに乗せられたケーキを口に運んだ。
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