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【Ⅱ】城主レイモンドとの出会い
「…………す、凄かった」
アナスタシアはバスルームと言っていたが、もはやそこはルームではなく、一つのアトラクションだった。
目につくもの色々なものに反応していたら、入るだけでどっと疲れてしまった。今からが本当の勝負どころだというのに。
「………あれっ? これ――」
だだっ広い脱衣場には、先程までオルガが着ていた服は処分され、代わりに新しい服が畳んで置かれていた。
問題は、その服である。
「嘘だろ……メイド服? 僕が?」
メイド長と揃いのホワイトブリムにフレンチスタイルエプロン……更にはご丁寧にも女物のショーツやブラジャー、そしてガーターベルトにニーソックスまである――
(な、なんだ? アナスタシアさんが間違えたのか?
そっ、それともこれは度胸を試す試練なのか……?)
そこまでの考えにたどり着いたら、あとの思考はただひたすらの下方修正。
(もしかして採用と言われて安心しきってたけど、実は今から面接なんじゃないのか!?)
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