儚き思ひ出

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そして、その時は、来る。 優良は名古屋にある高校へ進学した。 入学式の日。 「優良?」 優しい声がした。 小学生の頃しか知らないのに、すっかり変わった男の子の声なのに、すぐに誰だか分かった。 「龍稀君?!」 「ウン、そうだよ。 僕だ。約束、守りたくて、高校は寮がある名古屋の高校に進学したんだ。」 「覚えててくれたんだ」 「そりゃあ、初恋だからね?」 「そうなの?」 「き、聞き返さないでよ!恥ずかしいんだから!」 龍稀君の顔が赤らんだ。 「変わらないね!」 「そうかな」 「私の好きな龍稀君だから、良かった!」 「そうなの?」 「優しいところとか、全然代わってないよ!」 「優しい?この僕が?」 「ウン、優しいよ!」 「ありがとう。」 そう言うと、ハグをしてきた。 「優良、約束、果たしたいんだけど、良いかな?」
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