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「だから、泣くな!」
「だって、馨に呆れたくない…馨に嫌われたくないから~……。」
「分かったから、もう泣くな!」
こんな抗争が数十分続いた。
「梨恵、俺を思って手術する為に転院したのは、褒めてやる。けど、俺に黙って居なくなった事は、非常に怒ってる。そのお陰で、会社では変な噂で梨恵の悪口を言う輩があとをたたなかったんだぞ。」
「…………ごめんなさい。」
「それに、西澤を巻き込みやがって。」
「後で西澤さんに謝ります。」
「よろしい。全く、俺様をこんなに振り回す女は、梨恵が初めてだ。」
馨は、梨恵を優しく包み込むように抱きしめた。
「もう絶対に離れるなよ。……………おかえり。」
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