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かちゃりと扉を開ければ
ふわりとカーテンが舞って
風が部屋をよこぎる。
ふときがつけば
足元から気持ちよさそうな寝息のおと。
お昼の片付けをして部屋に戻ってみれば
クッションを枕にカーペットの上で眠ってしまっている彼。
相変わらず眼鏡はかけたまま。
そっと扉を閉めて
狭くなってしまったスペースに
ぺたりと座り込む。
開け放した窓から入るのは
車のエンジン音をかき消す程の強めに降りしきる雨のおと。
頬杖をついたローテーブルに広げてあるのは
ルーズリーフとシャーペン。
レポートの資料の何冊かの書籍と彼のノートパソコン。
気持ち良さそうな寝顔と
窓の外を見比べて
ふっと肩が落ちる。
‘今日中にレポート仕上げて
明日は遊びに行く約束してるのにな’
下書きだけやればあとは彼がパソコンで清書してくれるのだけど。
もう一度肩で息を吐いて
ベッドにたたんであったタオルケットをふわりと彼の胸にかけた。
‘眼鏡は’
‘触れて起こしてしまえば機嫌が悪くなるかも’
そう考えて。
気を取り直してローテーブルに向かい
シャーペンの芯をかちかちと
数えるように押した。
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