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資料の本をめくりながら
書いたり消したりを繰り返し
もう少しで下書きも終わりといったその時。
肌より少し熱くなった彼の掌が
ショートパンツの裾から
するりと滑り込んできた。
とっさに浮いた腰の隙を狙って奥まで滑らせようとする
そのやんちゃな掌をそっと冷気の中に押し出せぱ。
ばたりと
おとがしそうな程大袈裟に
その手は胸のうえに戻り
それとわからないほど
不機嫌になった顔がそっぽを向いた。
‘…あ~あ拗ねちゃった…’
シャーペンをことりと置いて
立てた膝の間に顔が埋まる。
‘…どうしようか…’
壁に掛けられた時計の針が示す
時刻は午後1時25分。
下書きの残りはあと数行で
その気になってくれさえすれば
パソコンの作業なんてあっという間に終わる。
結論は。
迷うほどの事ではなくて。
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