5400人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
手持ちぶたさもあり、俺は近くにあった書類を手に取り部屋を出た。
舞が朝霧を選んでいたらその時は潔く身を引こう……。
それはそれで仕方ねえことだ。
……。
…………。
もしも舞に迷いが見えたら。
それはあいつの中に少しは俺がいるってことだよな？
俺もあいつを幸せにできる可能性があるってこと……だよな？
「……あれ、杉浦さん？ 部屋に戻ったんじゃなかったですっけ？」
舞の声がしたので俺は見ていた書類から目を離した。
不思議そうな顔で舞は俺を見ている。
「……テメエを待ってたんだよ」
「えっ、私を……？」
「ああ、お前……朝霧に告白されたんだろ？」
俺がストレートにそう言うと舞の肩がビクッとあがった。
最初のコメントを投稿しよう！